栃木からのヤマノボリ日記

登山記録とやったこと、考えたこと

ゲルギエフ/マリインスキー歌劇場交響楽団を聴く

ゲルギエフ、凄いっ。感動したッ!

11月18日(日)今年のクラシック音楽のメインイベントを聴いてきました。

ワレリー・ゲルギエフ指揮
マリインスキー歌劇場交響楽団
所沢市民文化センター ミューズ アークホール
S席12,000円 A席10,000円 B席8,000円 P席7,000円
14:30開場 15:00開演

$ヤマノボリスト~オヤマの上でボ~ッとするヒト~


コンサート会場は所沢の航空公園駅を降りまして
テクテク20分ばかり歩きます。

風がかなり強くて寒かった。コートを着て行って良かったとツクヅク思いました。
紅葉がきれいだったけど。
$ヤマノボリスト~オヤマの上でボ~ッとするヒト~


コンサートホールの裏口(搬入口)を通りかかったら、金髪のガタイの良い外人さん数人がたむろしてタバコ吸ってました。もしかしてマリインスキーの団員さん?
隣の休憩室にはもっとタクサンの外人さん。

撮ったときは気がつきませんでしたが、右端にホルンが映ってますのでこりゃ確実ですね。
$ヤマノボリスト~オヤマの上でボ~ッとするヒト~


この時、2:15。
まぁ、ゲネプロ終わって、本番前にお茶してるんでしょうが、本番45分前でまだ普段着でゆったり寛いでいるのかー。余裕だなぁ~、と思いました。そんなもんですか?

で、ボクは開場までホールの前で待ちます。
15分間寒かったなぁ~。
どんな方が聴きに来るのかボ~ッと眺めていましたら、入場料もそれなりですので
かなり年齢層が上ですね。そして服装がきちんとしている。
高そうなコートのおばさまやおじさまが多かったです。

14:30開場。けれど開場への扉はクローズド。ロビーまでしか入れてくれません。
係員さんが全扉の前に立って、まだですと断っています。
オープンしたのは、15分前。初めてですね。どうしてだろ?別に入れない理由が思いつきません。

で、2:45オープン。
正面に立派なパイプオルガンがあります。
木を多用した非常に落ち着いた会場です。
音響的にも良かったです。
ゲルギエフもお気に入りだという話し。
$ヤマノボリスト~オヤマの上でボ~ッとするヒト~


ボクの本日の席はP席。前から3番目。ほぼ正面。こんなふうに見えます。
$ヤマノボリスト~オヤマの上でボ~ッとするヒト~


指揮者までの距離は30mくらいだろうか?
なんと言っても本日のお目当てはゲルギエフの指揮ぶり。いい席でよかった。

P席というのは、合唱する人が座る席です。(たとえばベートーヴェンの第九)
パイプオルガンの前にあるから、P席という説もありますが、正しくはPoduim席(ポディウム)だそうです。
Podiumというのは、指揮台のこと。指揮者を正面から見るからこの席をP席と言う。

やがて団員さん入場。(5分遅れの15:05でした)

■1曲目 グリーグ ホルベルク組曲

管はなし。弦のみ。対向配置で8-4-4-4-2。
(1stヴァイオリン-2ndヴァイオリン-ヴィオラ-チェロ-コントラバス

ゲルギエフ登場。万来の拍手。
客席は、ちと寂しい8割の入り。ゲルギエフだぜ。なぜにこんなに空いているのだ?

ホルベルク組曲は初めて聴く。
ヴァイオリン・ヴィオラが艶やかに鳴る。チェロがしっかりと受け、コンバスは2本だけれど、がっしりと支える。すばらしい。

ゲルギエフは、指揮台を使わない。結構背が高いので要らないのかな。
タクトも使わず、両手をヒラヒラさせて指揮する。
それに団員が応える。

両手でオケという楽器を弾いているように、それはそれは素晴らしくシンクロして鳴るのだ。
これにびっくり。

■2曲目 ブラームス 交響曲第2番。
ブラームスにしては明るく、自由な曲だ。

管が入場。
同じく対抗配置。今度は編成が大きくなり弦は14-10-10-10-6。
管は2管構成。

ゲルギエフ、今度は爪楊枝のような指揮棒を持っている。
これが「あの」指揮棒かぁ。と少しうれしくなる。

曲が始まる。管の存在感がすごい。さらに弦も。
日本のオケとは迫力が違う。

マリインスキーはゲルギエフが育てた楽団。
20年以上のつきあいなわけで、家族同然だろう。
ゲルギエフも楽団員とは以心伝心のはず。
お手のもんさ、という感じで曲が進む。
ボクもゆったりと夢見心地で聴く。

20分の休憩を挟んで

■3曲目 ベルリオーズ 幻想交響曲

これが圧巻。
文句のつけようがない。圧倒されっぱなし。
「完璧」というのはこういうのを言うんだね。

手をヒラヒラさせて指揮するゲルギエフは決して格好の良い指揮ではないけれど、
これば実にわかりやすいということに気がつきました。
何をしたいのか、どこで音を出せばよいのかがハッキリわかる。
これは指揮者の後ろから見ていたのではわからないこと。
演奏者もしっかりと指揮者を見て演奏している。

第5楽章は鳥肌モノ。
これ以上の演奏はない、というほどの出来。

ゲルギエフは速い、爆演というけれど、違うな。
「繊細」なのです。それでいて「大胆」なのだ。
そこがすごい。
ボクが今までに聴いた中の史上最高の演奏会でした。

終了後は拍手鳴り止まず。ブラボーの声多数。

観客も立派でしたね。
フライング拍手も無いし、勿論幻想の第4楽章で間違って拍手をするなんて人はいません。
やはり入場料が高い演奏会は気持ちが良いな。

■アンコール ベルリオーズ ラコッツィ行進曲

幻想の全力出し切りますっ、という演奏から肩の力をぬいて
リラックスして楽しく軽やかな演奏。
なんでも出来るなぁ。

で、終了。
拍手が鳴り止まず。
ゲルギエフは何度か拍手に応え、楽団員もパラパラと退場。
それでも拍手止まず、やがてスタンディングオベーションに変わる。

そうしたらゲルギエフが再度登場して観客席に笑顔で答えてくれました。
彼はなかなか笑顔を見せないのですが、よほど会心のできだったのでしょう。
観客も大いに盛り上がりました。

ロビーではCDを販売しておりまして、このあと20分後くらいにゲルギエフのサイン会があったもよう。

ゲルギエフ、マエストロの名にふさわしい演奏でした。
大いに満足しました。

こちらは、爪楊枝で指揮するゲルギエフ&マリンスキー歌劇場管弦楽団
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲



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