ホロビッツのピアノ~CD75
栃木県総合文化センターでのイベントに行ってきました。
音色を創る
~ピアノ調律師高木裕氏による講演と長富彩ピアノミニコンサート~
主役はホロビッツが日本公演時に弾いたというピアノ~スタンウェイCD75。
例の吉田秀和が「ひびの入った骨董」と評した公演ですよねぇ。
1983年NHKホールでの「英雄ポロネーズ」(確かにヒドイ)
そのピアノにまつわる話しをタカギクラヴィア社の社長である高木裕さんが、
CD75を長富彩さんが弾いてくれるというもの。
主催はとちぎ未来づくり財団なので入場は無料。ただし先着400名(整理券を事前申請)。
去年たまたま高木さんが書いた本「スタンウェイ戦争」を読んでいたので、そういう意味でも興味深かった。
(この本は昔スタンウェイのピアノを独占販売していた松尾楽器と筆者の「戦争」を書いたもの。ピアノの販売という商売上の話しが主なのですが、非常に面白い本です。スタンウェイにニューヨーク製とハンブルク製の2種があることなどはこの本で知りました。ただし高木さんが「戦争」の当事者なので書いてあることがすべて正しいとは言えないとは思います。)
最初は高木さんのお話が55分間。
ピアノの歴史(チェンバロからいかに現在のピアノにまで変化してきたか)
スタンウェイ社のピアノのお話。(同社がどのように「一流品ブランド」になったのか)
そしてホロビッツが愛したCD75のお話。(長富さんがCD75とホール備え付けのスタンウェイを弾き比べてくれた)
こういう話をきけるのはうれしいなぁ。
15分の休憩を挟んで、長富彩さんの演奏。
グリーグ、リスト、ショパン、スカルラッティそしてラフマニノフ、スクリャービンの小品を40分くらい弾いてくれました。
高木さんのお話によればCD75は、低音は大きく、中音はこもって(鼻にかかったような)、高音は硬質でキンキンと響くとのことででしたが、まさにそのとおり。一般のピアノとびっくりするくらい音が違いました。まるで別の楽器のよう。確かに迫力ある音だ。
ただしボクの耳には低音があまり心地良くは聴こえませんでした。高音はステキなんだけどなぁ。好みの問題ということで片付けてよいのかしら。
あまりピアノは好きではないのだけれど、長富さんの演奏は良かったなぁ。途中彼女が曲についての思いを話してくれるので、そこが良い。こういいう演奏者がおしゃべりするコンサートがもっとあっても良いよね。
そうそう、長富さんは2~3日前テレビのCMで見かけたのです。
マンションのCMで。コレ↓
若いよねぇ。まだ25歳だって。見た目やおしゃべりは確かに若い女の子なのだけれど、演奏はしっかり、堂々としています。これからが楽しみな方です。
ショパンの「革命のエチュード」(今日弾いてくれた)とリストの「ラ・カンパネラ」(彼女のYoutubeアカウントから)
おまけ↓